子供が独立して夫婦2人になると大きな家が要らなくなり、老後を見据えて「平屋」への住み替えやリノベーションを検討するケースも多いです。老後を見据えた快適でおしゃれな平屋の間取り図とはどのようなものなのでしょうか?
老後も快適に生活できておしゃれな平屋の間取り図
一般的な戸建て住宅は30~40坪が平均となっていますが、老後を迎えるシニア夫婦が2人で暮らすには30~40坪は平屋でも少し広いです。シニア世代になると家の中の生活動線は短い方が良いですし、掃除など手入れのしやすさを考えると20坪から30坪までの広さが適しています。
20~30坪程度の広さで、老後も快適に生活できるおしゃれな平屋を間取り図プランをいくつか紹介します。
ゆったり空間の3LDK
30坪ぐらいの広さがあれば、3LDKの間取りでもゆったりとして空間を作ることが可能です。
玄関が南向きだとして、平屋の南側に20畳程度の広さのリビングダイニングキッチンを配置します。平屋の北側に廊下を挟んで8畳・7畳・6畳の3部屋を配置します。
玄関は南東もしくは南西方向にあり、玄関から北に向かってトイレ・洗面所・浴室といった水回りを一直線に並べるのです。
30坪あれば、LDKが20畳を占めても3室それぞれ十分な広さを確保できます。
8畳を主寝室にして7畳と6畳を夫婦それぞれの書斎としても良いですし、夫婦で寝室を分けてもOKです。もしくは1部屋を客室として、子供家族や友人が遊びに来た時のために空けておくという使い方もできます。
水回りもそれぞれある程度の広さが確保できますから、万が一車椅子での生活となった場合でも不便を感じません。
生活動線をまとめてコンパクトに
家の中を動き回らなくて良いように、20坪程度の広さなら生活動線をまとめたコンパクトな間取り図もおすすめです。
例えば玄関が南西にあるとして、平屋の東側に16畳程度のリビングダイニングキッチンを配置します。平屋の西側、玄関の北側に7畳の主寝室、さらにその北側に5畳程度の部屋を設けます。
LDKの北側に広めのランドリールームを設け、ランドリールームの北側にトイレと洗面所兼脱衣所、浴室を配置するのです。
あえて廊下を作らないことで、LDKを中心に各部屋やトイレや浴室といった水回りがそれぞれ直結してスムーズに行き来できるようになっています。またキッチンとランドリールーム、トイレ、脱衣所をまとめて配置することで、家事の動線を短くしているわけです。
ランドリールームを広めにして洗濯物を干せるようにすれば、洗濯物を干すのも取り込むのも手軽にできます。
中庭を目隠しに
平屋の大きな問題の1つが、「表の通りからの視線を遮るにはどうするか」ということです。
日当たりを良くするには掃き出し窓のような大きな窓を設置したいですが、大きな窓を設置すると表から家の中が丸見えになってしまいます。表からの視線を遮るために高い塀を設けたり窓を小さくすると、日当たりが悪くなって家の中が暗くなります。
表からの視線を遮る方法の1つが、「中庭」を設ける間取り図です。
冬場の日当たりを考えて、滞在時間の長い場所にできるだけ長く日が入るようリビングダイニングキッチンは西向きにします。
LDKの西側に中庭を設けて、中庭の北に6畳の寝室、南に4~5畳の客間を配置します。玄関はLDKの南側で、LDKの北側、6畳の寝室の東側にトイレ浴室といった水回りを配置するのです。
中庭をコの字に取り囲むようにLDK・寝室・客間を配置することで、表の通りに面した西側に大きな窓を作らなくても各部屋に日が入ります。LDKの西側に大きな掃き出し窓を作っても中庭によって表からの視線が遮られて、日当たりとプライベートの確保の両立が可能です。
またキッチンを含めた水回りを平屋の北東方向にまとめたことで、生活動線を短くすることにも成功しています。廊下が無いのでLDKと各部屋、トイレや浴室との行き来がスムーズにできるようにもなっています。
外出時・帰宅時にスムーズに動ける回遊動線
外出時と帰宅時の動きがスムーズになることを重視した、「回遊動線」を取り入れた間取り図もおすすめです。
平屋の西側に玄関を配置、玄関を入って正面にリビングダイニングキッチンに繋がる扉を設けます。平屋の北側にトイレ・洗面所・ランドリールーム兼脱衣所・浴室を西から東に向かって一直線に配置するのです。
水回りの南側にLDKがあって、LDKと直結する形で平屋の東側に2部屋設けた2LDKです。トイレと洗面所を玄関の近くに配置、さらに玄関と直結させることで外出時・帰宅時の動きがスムーズになります。
洗面所で身支度を整えてトイレを済ませたらすぐに出かけられますし、帰宅時もすぐに洗面所で手洗いうがいができます。
LDKと水回りと玄関を回遊できるようになっているので、外出時・帰宅時の動線を短くできるのです。
平屋で老後も快適に暮らすためのポイント
年齢を重ねると筋力や体力が落ちてきて、若い時には普通にできていたことができなくなっていきます。
老後を快適に過ごす平屋を作るのに、抑えておきたいポイントをいくか紹介します。
車椅子生活を想定しておく
老後も快適に生活できる平屋を建てたりリノベーションするには、「車椅子」での生活を想定しておきましょう。
もちろん車椅子を使わずに老後を過ごすことに越したことはありません。しかし年齢を重ねると、ちょっとした段差で躓いて骨折するなどケガや病気で歩くのが難しくなることが十分考えられます。
ケガや病気で車椅子生活を余儀なくされた場合でも、快適に生活できることを考えて間取り図を作らないといけないのです。
まず絶対的に必要なのは「バリアフリー」で、家の中にできるだけ段差を作らないようにします。平屋をバリヤフリーにすると、車椅子でも生活しやすいだけでなく躓くことが少なくなるので車椅子生活になるリスクも下げられます。
家の中だけでなく、玄関にもスロープを設けるなどしてバリヤフリーにしておくと良いでしょう。
トイレは車椅子でも出入りしやすいように横幅を少し広くしておき、シャワートイレで便器の蓋が自動で開閉する機能を付けておくとベターです。
玄関や家の中の扉は基本的に開き戸ではなく引き戸にする、照明のスイッチやコンセントも車椅子でも使いやすい高さに設置することも重要です。
キッチンや洗面所も車椅子でも使える高さにしておき、車椅子を使わない場合でも椅子に座って使用するようにします。
車椅子生活を想定した間取り図にしておくことで、車椅子を使わない老後でも快適に生活できる平屋となるのです。
高気密・高断熱
「高気密」「高断熱」を意識すると、老後も快適に生活できる平屋となります。家が高気密・高断熱だと、空調の効果が高くなるので冷房や暖房にかかる電気代を抑えられます。
またLDKや寝室、トイレ、脱衣所など家の中の各空間の温度差を小さくできるのです。
急激な温度変化による「ヒートショック」は、命に関わるので年齢に関係なく注意しておかないといけません。高気密・高断熱で家の中の温度差が小さくなれば、入浴時やトイレ時などにヒートショックが起きるリスクを下げられます。
ただ高気密・高断熱の建物は乾燥しやすく、湿気が外部に逃げにくいので結露やカビが発生しやすいです。カビを吸い込むことでシックハウス症候群になる恐れもあり、高気密・高断熱にするなら適切な換気システムの導入も欠かせません。
プライバシーの確保
平屋では「プライバシーの確保」も重要なポイントとなります。
1つは「他人から家族のプライバシーを守る」ことです。
先にも少し書きましたが、平屋は日を取り込むために窓を大きくすると表から家の中が丸見えになってしまいます。家族のプライバシーを優先して窓を小さくする、高い塀を設けるといった対策をすると家の中に日が入らずに暗くなってしまうのです。
十分な日当たりを確保しながらも表からの視線を遮って、家族のプライバシーが守られるようにしなければいけません。表の通りと接する面に庭を設けるのも1つの方法ですし、高い位置に採光窓や天窓を設置する方法もあります。
もう1つは「家族間のプライバシーを守る」ことです。
今回提案した間取り図では、LDK以外にも複数の部屋を設けているので、家族間のプライバシーはある程度守られています。
ただ生活動線を短くするために、LDKや寝室など各部屋とトイレ・浴室が直結した形となっていることが多いです。夫婦間でもトイレや浴室の音をパートナーに聞かれたくはありません。
生活動線を短くすることを重視過ぎて家族間のプライバシーが確保できない、といいったことにならないように注意する必要があります。
老後も快適に生活できるおしゃれな平屋の間取り図作りに困ったら
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TVCMで見かけるような大手だからと言って、必ずしも平屋を建てるのが得意とは限りません。まして「老後も快適に過ごせるおしゃれな平屋」となると、意外と地域の小さな工務店の方が得意だったりします。
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まとめ
老後を見据えて快適でおしゃれな平屋の間取り図プランをいくつか紹介しました。
平屋はシンプルなだけに、ポイントを押さえておかないとかえって生活しにくくなってしまいます。特に老後も快適に過ごせるようにするには間取り図作りが重要です。
住宅関連の仕事をしていないと間取り図は簡単に作れませんが、タウンライフ家づくりなら無料で専門家に平屋の間取りについて相談できます。