「2階建ての住宅」が一般的なため、「平屋」を新築する場合には費用相場が分かりにくくて困るケースがあります。
では、平屋を新築するにはどのぐらいの費用がかかるのか、実例を交えながら詳しく見ていきましょう。
平屋の費用相場
まずは、ざっくりと間取りごとの平屋の費用相場を見ていきます。
一口に平屋と言っても、一人暮らし用のワンルームからファミリー用の3LDK4LDKまで様々な間取りがあります。広さや間取りによって費用も変わりますから、新築する平屋のどういった間取りにするかを考えておく必要があるのです。
ワンルームの平屋
一人暮らし用のワンルーム、延べ床面積にして10~15坪程度の広さの平屋だと1000万円以下で建てることも可能です。ワンルームの平屋だと坪単価は50~60万円ぐらいですから、15坪で坪単価60万円でも900万円と1000万円以内に収まります。
ただし建材や設備のグレードを上げると、ワンルームの平屋でも1500万円ぐらいかかることもあります。
1LDK~2LDK
リビングダイニングキッチンと寝室を別にした1LDKや寝室以外にもう1つ部屋のある2LDKだと、1000~1500万円といったところです。
1LDK2LDKであれば一人暮らしだと生活空間と寝室が分けられますし、パートナーと2人で生活しても窮屈ではありません。
ワンルームよりも部屋数が増えますから、必然的に平屋の延べ床面積も広くなります。1LDKだと少なくとも15~20坪、2LDKだと20~25坪ぐらいの延べ床面積が必要です。
1LDK2LDKでも坪単価は50~60万円といったところですから、15坪なら1000万円ぐらいで収まります。25坪の2LDKとなると1500万円ぐらいかかることになります。
3LDK4LDK
子供の居る家族の場合、子供の年齢や人数によって3LDKや4LDKといった間取りが必要です。平屋でも3LDK4LDKの間取りは可能ですが、新築するのにかかる費用は2000万円前後となります。
3LDK4LDKの平屋だと、延べ床面積は少なくとも30坪程度です。3LDK以上の平屋を建てる場合の坪単価は50~70万円ぐらいなので、30坪だと1500~2100万円ぐらいはかかります。
4LDKで各部屋を少しゆったり目にすると延べ床面積は35坪ほどになり、新築費用は2500万円前後となることもあります。
ただし建売やプレハブ住宅の平屋であれば、3LDK4LDKでも1000万円台で購入・新築することも可能です。
実例から見る平屋の新築費用
間取りごとの平屋の費用相場を紹介しましたが、次は実際の平屋の間取りを見ながら建てるのにかかった費用を紹介します。
約21坪で1000万円台後半
夫婦2人で生活する延べ床面積は約21坪で間取りは2LDKの平屋を建てるのにかかった費用は1000万円台後半です。
西側の真ん中に玄関、玄関脇にトイレ、北側に主寝室と洋室、南側にリビングダイニングキッチンを配置する間取りとなっています。
直接行き来はできませんが玄関の正面の位置に洗面所と浴室があり、主寝室からもリビングダイニングキッチンからもアクセスしやすい配置です。主寝室とリビングダイニングキッチンはウォークインクローゼットで繋がっており、外出時・帰宅時の効率的な動線を確保しています。
リビングダイニングキッチンの南側にはウッドデッキを設置、日向ぼっこにバーベキューにとアウトドアリビングとして活用しています。
主寝室の上にロフトを設けることで、平屋で起こりやすい収納の問題を解決しているのです。
30坪3LDKが1000万円台
一般的に30坪3LDKだと平屋でも2000万円以上かかることが多いですが、ローコスト住宅メーカーなら1000万円台でも建てられます。
夫婦と子供1人の3人暮らしで、長方形の建物の北西角に玄関、玄関から東に向かって浴室・洗面所・和室・子供部屋を配置しています。
建物の南側にリビングダイニングキッチンと主寝室があり、リビングダイニングキッチンから全ての空間に行き来しやすい間取りです。トイレは玄関と対極の位置にあって、こちらもどの部屋からでも行きやすい配置となっています。
主寝室の南側には物干し場となるサンルームを設置、乾いた洗濯物が主寝室の収納にすぐ入れられて効率的です。
生活動線が考えられた間取りとなっており、延べ床面積と間取りから考えると1000万円台はかなりお得です。
31坪3LDKで2000万円台
夫婦と子供1人、愛犬1匹の「4人家族」が暮らす約31坪3LDKの平屋が2000万円台となっています。
長方形の建物で南側のやや西寄りに玄関、建物の西側に主寝室とウォークインクローゼット、リビングダイニングキッチンと2部屋が配置されています。リビングダイニングキッチンを囲むような形で2部屋と浴室・洗面所を配置、一番東側に広めの納戸があるので収納もバッチリです。
主寝室の南側に物干し場となるバルコニーがあり、ウォークインクローゼットとの距離も近いので洗濯物の取り入れが楽です。納戸やウォークインクローゼット以外にも何か所か収納スペースがあり、収納が充実した間取りとなっています。
平屋を新築する際の注意点
平屋を新築する場合には、費用や間取り以外にも注意しておかないといけないことがいくつかあります。
注意点を押さえずに平屋を建てると、生活し始めてから後悔することになるので気を付けてください。
別途土地代が必要
平屋を新築する費用に関係して注意しないといけないのは、「別途土地代がかかる」ということです。
先に広さや間取りごとの費用相場を紹介しましたが、いずれも建物のみの金額で土地代は含まれていません。
2024年の土地の平均価格は1坪あたり約54万円となっています。
ワンルームで10~15坪の広さであれば、500~700万円ぐらいの土地代が別途かかってきます。20~25坪だと1000~1200万円程度、30~35坪だと1500~2000万円前後の土地代が必要です。
平屋自体は1000万円で建てられるとしても、別途土地代を含めると総額では少なくとも2000万円前後はかかることになるのです。30坪以上だと土地建物合わせて3000万円4000万円という金額になることもあり、2階建て住宅とそれほど変わらないほどの金額となります。
20坪の土地に20坪の平屋は建てられない
平屋でも2階建てでも建てるには土地が必要ですが、土地目一杯に建物を建てることはできません。土地の広さに対する建物の広さの割合である「建ぺい率」が定められており、一般的な住宅街であれば60%が上限です。
例えば平屋を建てるのに20坪の土地を購入した場合、建ぺい率が60%だと平屋の延べ床面積は12坪までとなってしまいます。延べ床面積20坪の平屋を建てようと思ったら、34坪以上の広さの土地が必要です。
延べ床面積より広い土地が必要となるので、平屋を建てるのに土地を購入する場合は費用総額がさらに嵩むことになります。
固定資産税が2階建てより高くなることもある
平屋は同じ延べ床面積の2階建てよりも「固定資産税」が高くなるケースがあります。固定資産税は土地と建物それぞれにかかってくるもので、土地の固定資産税額を決めるのは広さ・坪数です。
単純に広い土地ほど固定資産税額も高くなります。延べ床面積が同じ場合、平屋の方が2階建てよりも広い土地が必要です。
例えば延べ床面積20坪の場合、平屋だと34坪以上の土地が必要ですが、2階建てだと20坪で建てられてしまいます。
建ぺい率60%だと20坪の土地に12坪の建物しか建てられませんが、2階建てだと2階部分が作れます。建坪が12坪でも、8坪分の2階部分を作ることで1階と2階を合わせた延べ床面積が20坪になるのです。
平屋は同じ延べ床面積の2階建てよりも1.5倍ほど広い土地が必要なため、土地の固定資産税が2階建てよりも高くなってしまうことがあるわけです。
建物の固定資産税額は「建物の価値」で決まります。建物の価値は外壁や内装、屋根、設備などを点数化して計算するのですが、外壁や屋根は面積が広いほど点数が高くなります。
屋根の面積は2階建てより平屋の方が広いですから、屋根の点数分だけ2階建てより固定資産税が高くなる可能性があるのです。
平屋は延べ床面積の割に固定資産税が高いことがある、ということを平屋を建てる際には頭に入れておかないといけません。
日当たりと風通し
平屋の間取りを作る際には「日当たり」と「風通し」を考える必要があります。平屋は2階建てよりもワンフロアの面積が広いですから、建物の中心部分はどうしても日当たりと風通しが悪くなってしまいます。
また2階建て住宅が一般的なので、住宅街だと周辺がすべて2階建ての中に平屋を建てることになるのです。高い建物の中に一軒だけ低い建物があると、低い建物に日が当たりにくくなりますし風も通りにくくなります。
開口部の大きい掃き出し窓や採光窓を設置したり、窓の数を増やすなどして建物の中心部まで光と風が行き渡るようにする必要があります。
防犯対策
平屋を建てる際にもう1つ考えておかないといけないのが「防犯対策」です。平屋は生活空間がワンフロアに集約されるので、外部からの侵入者のターゲットとなりやすいです。
しかも日当たりと風通しを良くするのに大きな窓を設置したり窓の数を増やしたりしていると、侵入者にとっては「入りやすい建物」となってしまいます。
日当たりと風通しを考慮しながらも外部から侵入しにくい間取り作りが、平屋では求められるのです。大きな窓にはシャッターを設置する、人目につかない建物裏側の窓には格子を付けるなどの工夫が必要です。
平屋の新築に関する相談は「タウンライフ家づくり」
費用や間取りなど平屋を新築するのに相談したいことがあるなら、「タウンライフ家づくり」を利用してみてください。
タウンライフ家づくりは全国1100社の住宅メーカーと提携しており、条件に合った住宅メーカーを探したり比較できたりするサービスです。TVCMでよく見聞きする大手住宅メーカーだけでなく、全国の地域に密着した中小メーカーまで揃っています。
建物の階数や間取り、家族の人数、予算を選択肢から選ぶだけで、条件に合った住宅メーカーをタウンライフ家づくりがピックアップしてくれます。
住宅メーカーにはそれぞれ得意分野があり、大手より中小メーカーの方が平屋を建てるのは得意ということもあるのです。ネット検索で平屋を得意とする住宅メーカーを探すのは大変ですが、タウンライフ家づくりなら簡単に探せます。
ピックアップするだけでなく、複数の住宅メーカーに見積もり作成を依頼できるので費用相場も知れますしメーカーごとの比較もできます。
さらに間取りプランを提案してもらったり、土地探しのアドバイスも受けられるので、「我が家」を建てるのに一番適した住宅メーカーが見つかります。
タウンライフ家づくりの利用は完全無料で、住宅メーカーを探すのにも見積もり作成依頼にも費用は一切かかりません。見積もりを取ったメーカーと契約しないといけないことも無いですし、住宅メーカーからひっきりなしに営業電話がかかってくることも無いです。
無料で使っても面倒なことにはなりませんから、家づくりで困ったことがあればタウンライフ家づくりを利用してください。
まとめ
平屋を新築する場合の費用相場は、大体1000~2000万円といったところです。
ワンルームで10坪ぐらいの広さであれば1000万円以下でも建てられますし、3LDK4LDKで高グレード設備を導入すると3000万円以上かかることもあります。
想定している間取りや広さの費用相場を知りたいなら、無料で利用できるタウンライフ家づくりで住宅メーカーに見積もりを取ってみましょう。