「音」も立派な公害の1つですから、自宅で音楽や映画を思う存分楽しむには「防音室」を設置するのがベターです。
では、プレハブ住宅でも防音室を作ることは可能なのか、防音室を作るにはどのぐらいの費用がかかるのかなど詳しく見ていきましょう。
プレハブ住宅に防音室は作れる?
プレハブ住宅にも防音室を作ることは可能です。
プレハブ住宅に防音室を作るのには、大きく分けて2つの方法があります。1つは、そもそもプレハブ住宅の壁や床などに「防音性のある部材」を使う方法です。
建ててからプレハブ住宅の防音性能を高めようとすると、壁に遮音材や吸音材を貼る、防音ドアに取り替えるといった手間がかかります。もちろん費用もかかりますから、最初から壁や床、ドアに防音性のある部材を使ってプレハブ住宅全体の防音性能を高めるわけです。
防音性のある部材を使うと、一般的なプレハブ住宅を建てるよりは費用はかかります。しかし、一般的なプレハブ住宅を建ててから防音性能を高める施工を施すよりは安く済む可能性が高いです。
もう1つの方法は、プレハブ住宅の一部を「防音室にする」方法です。
プレハブ住宅全体ではなく、壁や床に遮音材や吸音材を貼り付け、ドアを防音ドアに取り替えて一室を防音室にリフォームします。もしくは組み立て式の防音室をプレハブ住宅に設置して、一室丸々ではなくプレハブ住宅の部屋の一部を防音室にする方法もあります。
一室をリフォームする方がデザインの自由度が高く、防音室を広く使うことも可能です。しかし工期が長くなりますし、リフォーム工事をしている間は工事の音が近隣の迷惑になる恐れもあります。
組み立て式だとデザインの自由度は低く狭くなってしまいますが、数日程度と工期は短いです。
プレハブ住宅に防音室を作る費用
部材を防音性のあるものにして、プレハブ住宅全体の防音性能を上げるのにどのぐらいの費用がかかるかは一概には言えません。
どのぐらいの防音性を持たせるかでも変わってきますし、プレハブ住宅自体の大きさによっても価格が大きく変わります。ただし、一般的な防音性能のプレハブ住宅を建てるよりは防音性の高いプレハブ住宅を建てる方が費用が嵩むのは間違いありません。
プレハブ住宅の一室丸々を防音室にリフォームする場合は、少なくとも150万円以上かかります。部屋の広さや防音性能、プレハブ住宅の材質によって変わりますが、6畳程度の広さで標準的な防音性能だと大体200~250万円ほどです。
木よりも鉄の方が素材の持つ防音性が高く、木質系プレハブ住宅だと鉄骨系プレハブ住宅よりも防音リフォームの費用が嵩みます。同じ広さで防音性能のグレードが同じでも、木質系プレハブ住宅だと鉄骨系プレハブ住宅よりも50万円ほど費用が高くなります。
組み立て式の防音室を設置する場合の費用は大体50~250万円です。こちらも大きさや防音性能のグレードによって価格が変わり、0.8~1.7畳の小型で標準的な防音性能なら40万円台で購入できます。
ただし組み立て費や運送費に別途費用がかかりますから、防音室自体は40万円台で購入できても設置にかかる費用は50万円を超えます。
組み立て式の防音室には中古もあり、中古なら2畳ほどの中型で防音性能のグレードが高いものでも50万円ぐらいで設置可能です。
住宅の敷地内にプレハブの防音室を建てられる?
プレハブ住宅の中に防音室を作るのではなく、住宅の敷地内に別途プレハブの防音室を建てることはできるのでしょうか?結論から言うと、敷地内に住宅とは別にプレハブの防音室を建てるのはかなり難しいです。
防音室だけの小さなプレハブでも、新たに建てる場合には建築基準法上では住宅と同じ建物と見なされます。
法律上の建物である限りは、建てる前に「建築確認申請」が必要です。簡単に言うと、「これから建てるのは建築基準法に適合した建物である」ということを自治体や関係機関に確認してもらう手続きです。
建築基準法では、敷地面積に対する建物の面積の割合「建ぺい率」、敷地面積に対する延床面積の割合「容積率」が決められています。どちらも地域によって違いますが、建ぺい率は大体40~60%、容積率は2階建てだと80%が一般的です。
例えば敷地面積が100㎡に面積50㎡の住宅を建てると、建ぺい率は50%となります。面積50㎡の住宅の延床面積が75㎡だと、容積率は75%となるのです。
既に住宅が建っている敷地に新たにプレハブの防音室を建てる場合は、この建ぺい率や容積率が問題となります。
住宅だけで建ぺい率や容積率がその地域の上限に達していると、敷地内に新たにプレハブを建てることができません。建ぺい率や容積率に余裕があっても、建てられるプレハブの面積はかなり限られてしまいます。
200坪も300坪もある敷地で広大な庭があるならともかく、一般的には住宅の敷地内に新たにプレハブの防音室を建てるのは難しいのです。
ちなみに、建築確認申請をして建てたプレハブの防音室にも固定資産税はかかります。
建築確認申請せずに建てるのは違法建築
建築確認申請せずに建てたプレハブの防音室は「違法建築」となります。
違法建築が発覚すると
・刑事罰
・行政処分
・是正措置
の3つの処分を受けることになるのです。
建築基準法には違法建築の罰則規定があり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が課されます。
次に行政処分ですが、これはプレハブの持ち主ではなく建てた施工業者に対する処分です。建築士に対しては免許取り消しや業務停止など、工務店などの事業者に対しては営業停止や建設業許可の取り消しなどの処分が下されます。
3つ目の是正措置では、建築中であれば工事停止、建築後は取り壊しや使用禁止の命令が発せられます。
建築確認申請せずにプレハブの防音室を建てた場合は、300万円の罰金を払った上で取り壊さないといけなくなる恐れがあるのです。
黙っていれば違法建築はバレない?
住宅の陰になっていて表からは見えない位置に小さいプレハブを建てるだけなら、建築確認申請しなくてもバレないと考えることもあるかもしれません。しかしどんな小さいプレハブであっても、違法建築に当たる場合はほぼ100%バレます。
自治体の建築指導課などが、定期的に「建築パトロール」を行っています。工事中の建物や敷地で法律や法令に違反したものが無いかを、自治体の担当者が立ち入って調査するのです。
プレハブの防音室を建てている時に建築パトロールが来ると、違法建築であることがバレてしまいます。最近は航空写真を使った調査も行われており、建築中のパトロールを逃れても航空写真を使った調査でバレる可能性が高いです。
また自治体の資産税課の担当者や自治体から委託された調査会社が、年に1回「家屋調査」を行っています。家屋調査は主に固定資産税額の算出のために行っており、固定資産税の対象であるプレハブは見つかる可能性が高いです。
そして近隣からの通報によって違法建築がバレるケースもあります。短期間で建てられるプレハブとは言え、施工中は多少の騒音があったり、工事車両によって道路が使いにくくなったりします。
事前に近隣へあいさつ回りしていないと、騒音や工事車両を迷惑と感じた近隣の人が自治体に通報してしまうのです。建築確認申請をしてあいさつ回りしていても通報されることもあるので、違法建築だと通報される可能性が高いです。
違法建築がバレないことはほぼありませんから、敷地内に新たにプレハブを建てる場合はちゃんと建築確認申請をしましょう。
用途別の防音性能
一口に「防音室」と言っても、用途によって求められる防音性能が違います。
要するに、大音響で映画を観るのと楽器を演奏するのでは必要な防音性能が変わるということです。楽器の演奏については、どんな楽器を演奏するかによっても求められる防音性能が変わります。
防音性能は「Dr値」で表されるのですが、シアタールームだとDr値は45~50ぐらいは必要です。楽器を演奏する場合は、40~60ぐらいのDr値の防音性能が求められます。
Dr値は、簡単に言うと「音量をどのぐらいカットできるか」を表しています。例えば「Dr-40」だと、40dbほどの音量をカットできるということです。
Dr‐40の部屋で100dbの音量で楽器を演奏すると、部屋の外には60dbの音が漏れ聞こえることになります。
防音室は漏れ出る音をゼロにするのではなく、図書館の中の音量である40db程度に抑えるのが一般的です。
大音量で映画を観る場合の音量は大体85~90dbなので、それを40dbに抑えるにはDr‐45~50が必要となるわけです。ピアノは95db程度、ギターはエレキギターで80~90db、アコースティックギターで95db、トランペットで100dbとなっています。
部屋から漏れ出る楽器の音を40db以下に抑えるには、Dr‐40~60が必要となります。
プレハブ住宅に防音室を作るなら
プレハブに限らず、住宅の中に防音室を作るなら「タウンライフ家づくり」の利用をおすすめします。タウンライフ家づくりは、大手を含む、全国600社以上のリフォーム業者が比較できるサイトです。
新築時にももちろん使えますが、防音室を作るなどリフォームをする時にも使えます。住宅のタイプやリフォーム箇所、築年数、予算などを選択すると、条件にピッタリのリフォーム業者をピックアップしてくれます。
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まとめ
プレハブ住宅にも防音室を作ることは可能です。費用はリフォームで少なくとも150万円、組み立て式の防音室の設置だと少なくとも50万円ぐらいはかかります。
建ぺい率や容積率の関係から、住宅とは別に敷地内にプレハブの防音室を新たに建てるのは難しいです。
一室丸々リフォームするにしても組み立て式の防音室を設置するにしても、リフォーム業者選びにはタウンライフ家づくりを利用しましょう。