低コストが魅力のプレハブ住宅ですが、トイレや風呂はどうするのか、ワンルーム以外の間取りも可能かなど不安もあります。
ではプレハブ住宅でもトイレ風呂付きにすることはできるのか、間取りはどうなるのかなど詳しく見ていきましょう。
プレハブ住宅でトイレ風呂付きは可能?
プレハブ住宅にトイレや風呂といった水回りを完備させることは可能です。
一般的に「プレハブ」と言うと、工事現場の仮設事務所や災害時の仮設住宅を思い浮かべるかもしれません。ただプレハブに「仮設」という意味は無く、住宅として建てられる以上は生活に必要なトイレや風呂などの水回りは設置できるようになっています。
工事現場の仮設事務所には水回りは完備されていませんが、災害時に建てられる仮設住宅には水回りは完備されています。
大手を含めて多くのハウスメーカーがプレハブ住宅を取り扱っており、トイレ風呂付きを前提としたデザインのプレハブがあるのです。
ちなみに「プレハブ」は「プレファブリケーション」の略で、工場で加工・組み立てた建材を現場で組み上げる建築工法を指します。比較的低コストで短期間に建てられるので、仮設の建物として使われるケースが多くなっているだけです。
ワンルーム以外の間取りも可能?
プレハブ住宅の間取りはワンルームに限定されているわけではなく、ワンルーム以外の間取りにすることもできます。
10坪程度の比較的コンパクトな土地に建てる場合は、下手に部屋数を作るよりもワンルームの方が広く使えることもあります。
しかし建坪が6~7坪なら、キッチンとは別に寝室を設けて1Kでトイレと風呂をセパレートにすることも可能です。建坪が10坪以上であれば、2DKや3LDKといった間取りにもできます。
プレハブは平屋のイメージがあるかもしれませんが、2階建ても可能です。2階建ては間取りの幅がさらに広がり、4LDK・5LDKといった間取りにもできないことはありません。
実際に2024年元日の能登地震の被災者向けに建てられた仮設のプレハブ住宅には、1Kや2K、3DKなどの間取りがあります。
ワンルーム以外の間取りにもできますから、一人暮らしだけでなくパートナーと2人、子供も含めた3人4人でプレハブ住宅で生活することも可能です。
ユニットバスにして水回りのスペースを節約
建坪がそれほど広くない場合には、トイレと風呂を一体化させたユニットバスにするとスペースが節約できます。
一般的な風呂の広さは0.75~1坪程度で、足が伸ばせる浴槽となると1坪ぐらいは必要です。トイレの一般的な広さは0.4~0.5坪ですから、トイレと風呂をセパレートにすると1.4~1.5坪ほどのスペースを取ることになります。
トイレと風呂が一緒になったユニットバス(3点ユニットバス)だと、最小で0.75坪で収まります。少し大きめの浴槽を入れても1坪で収まりますから、トイレと風呂をセパレートにした場合よりも0.4~0.5坪ほどスペースが節約できるのです。
トイレ・風呂のスペースが節約できることで、生活スペースが広く使えます。
ただし、一人暮らしならトイレと風呂が一緒でも問題ありませんが、2人以上で生活する場合はトイレと風呂が一緒だと不便です。
誰かが風呂に入っている時はトイレが使えなくなるので、2人以上で生活するならトイレと風呂は分けた方が良いでしょう。
プレハブ住宅をトイレ風呂付きにする際の注意点
プレハブ住宅にトイレ風呂を付けることは可能ですが、トイレ風呂付きプレハブ住宅を建てる時には注意しないといけないこともあります。
トイレ風呂付きだと低コストにならないことも
プレハブ住宅の魅力の1つが「低コスト」ですが、トイレ風呂付きにすると低コストにならないこともあるのです。
一般的な注文住宅の場合、建てるのにかかる費用にはトイレや風呂の設置費用も含まれています。ところがプレハブ住宅の場合、プレハブ住宅の本体価格にトイレ風呂の設置費用が含まれていないことがあります。
間取りがワンルームか1Kであれば、プレハブ住宅本体は500~600万円台で購入可能です。500~600万円は本体のみの価格で、トイレや風呂さらにはキッチンを設置するには別途費用がかかります。
設備のグレードにもよりますが、水回りの設置費用は総額で少なくとも100万円ぐらいは必要です。
トイレや風呂は設置しただけでは使えず、水道やガス、電気が使えるように工事しないといけません。水道ガス電気の工事にかかる費用は総額で100~200万円ぐらいですから、水回りの設置費用と合わせると200~300万円かかることになります。
本体価格は500~600万円でも、水回りの設置や付帯工事に200~300万円かかるので、総額が1000万円近くになってしまうこともあります。
1000万円台で建てられる一般的な注文住宅もありますから、プレハブ住宅でも低コストとは限らないのです。
プレハブ住宅は注文住宅より場所を選ぶ
プレハブ住宅を建てる際に一番注意しないといけないのは、「注文住宅よりも建てる場所を選ぶ」ということです。
一般的な注文住宅は、住宅用地であればほとんど場所を選ばずに建てることができます。しかしプレハブ住宅を建てる場合には、住宅用地であっても「広い道路」に接していないと建てられないことがあります。
プレハブ住宅は、工場であらかじめ加工・組み立てした建材を現場で組み上げて建てます。現場に運んでくる建材はある程度の大きさがありますから、細い路地にしか接していないと現場に建材が運び込めないのです。
また加工・組み立てがされた建材を組み上げるのには、クレーン車やユニック車といった大型車両を使います。クレーン車やユニック車が通れるだけの広さの道に接した土地でないと、プレハブ住宅は建てられません。
一般的な注文住宅は現場で建材を加工して組み上げていきますから、狭い路地にしか接していない土地でも建てられます。棟上げにはクレーン車を使うのが一般的ですが、人力での棟上げも可能なのでクレーン車が入ってこれなくても大丈夫です。
プレハブ住宅は注文住宅よりも場所を選ぶので、プレハブ住宅を建てる場合は土地選びも重要となります。
耐久性の問題
プレハブ住宅は、一般的な住宅と比べて「耐久性」にやや問題があるとされているので注意が必要です。
固定資産税の算出根拠となるプレハブ住宅の法定耐用年数は
・木質系 22年
・鉄骨系(骨格材4mm超) 34年
・鉄骨系(骨格材3mm超4mm以下) 27年
・鉄骨系(骨格材3mm以下) 19年
・コンクリート系 47年
で、これは一般的な住宅と同じです。
法定耐用年数はプレハブ住宅と一般的な住宅で同じですが、物理的な耐用年数いわゆる「建物の寿命」はプレハブ住宅と一般的な住宅で異なります。
一般的な住宅の寿命は、木造でも鉄骨造でも大体30年ぐらい、コンクリート造だと40年ぐらいとされています。定期的かつ適切なメンテナンスを行えば、80年でも90年でも住み続けることが可能です。
中古の一般的な住宅でも、メンテナンスさえしっかりすれば30代40代で購入しても生涯住める家となります。
プレハブ住宅の寿命は15~20年程度で、適切なメンテナンスを行っても40~50年が限界です。中古のプレハブ住宅は適切なメンテナンスを行っても15~20年が限界ですから、プレハブ住宅は新築でないと生涯住むことは難しいです。
プレハブ住宅はメンテナンス費用が嵩むことも
新築のプレハブ住宅は適切なメンテナンスを行うことで40~50年もちますが、メンテナンスにかかる費用が嵩む恐れがあります。
一般的な住宅も外壁を塗り直す必要がありますが、外壁の塗り替えサイクルは大体10~15年ぐらいです。外壁塗装を行う業者の中には、10年保証を行っているところもあります。
プレハブ住宅でも骨格部分が木材の木質系なら、一般的な住宅と同じように外壁の塗り替えサイクルは10~15年です。
ところが骨格材が鉄骨の鉄骨系だと、5年ごとの塗り替えが必要となることもあります。錆びないように鉄骨には防錆材を塗布しますが、防錆材の耐用年数が大体5年程度なのです。
鉄骨系プレハブ住宅は錆が発生すると耐久性が大幅に低下するため、防錆材の塗り替えは必須です。鉄骨系プレハブ住宅だと防錆材の塗り替えサイクルが早いので、メンテナンス費用が一般的な住宅より嵩む恐れがあります。
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まとめ
プレハブ住宅にはトイレ風呂付きを前提としたものもあり、キッチンも含めて水回りを完備させることが可能です。
間取りもワンルームに限られているわけではなく、土地の広さによっては2LDK3LDKといった間取りにも2階建てにもできます。
ただし本体価格に水回りの設備費や工事費が含まれていないこともあるので、一般的な住宅より低コストにならないこともあるので注意も必要です。
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