人気芸能人のCM起用やキャッチーなワードで注目される「タマホーム」で、何と500万円で家が建てられるという噂があります。
では、タマホームで本当に500万円の家が建てられるのか、建てられるとしたら間取りはどんなものかなど詳しく見ていきましょう。
タマホームで500万円の家が建てられる?
「タマホームで500万円の家が建てられる」について結論を言うと、タマホームで500万円の家は建てられません。
2010年代中頃に「大安心の家5シリーズ」というサービスをタマホームが行っており、これが「500万円で建てられる家」でした。2016年に販売を終了したとのことで、2024年12月現在タマホーム公式サイトには「大安心の家5シリーズ」の情報は掲載されていません。(「大安心の家」はある)
大安心の家5シリーズの提供が終了した後に、「シフクノ家」という900万円で家が建てられるサービスも行っていました。500万円の家に比べると少し価格が高いですが、それでも900万円で家が建てられるなら格安と言えます。
シフクノ家は2023年に期間限定で提供されたサービスで、2024年12月現在はタマホーム公式サイトには情報が掲載されていません。
残念ながら、現在タマホームには500万円の家も900万円の家も無くなっており、1000万円以下で家を建てることは難しくなっているのです。
500万円の家の間取りは?
現在は利用できないものの、かつてタマホームで建てられた500万円の家はどんな間取りだったか気になります。
どんなに安く見積もっても家を建てるには1000万円以上かかりますから、500万円だとかなり小さい家になってしまいそうです。しかし実際には、タマホームで建てられた500万円の家は平屋か2階建てで、間取りは1LDKから3LDKまで選べたとのことです。
一般的な1LDKから3LDKの家に比べるとコンパクトだったようですが、想像しているような小さな家ではありませんでした。
ちなみに、900万円で建てられたシフクノ家は平屋で、リビングダイニングキッチンと寝室の1LDKが基本でいくつかのパターンから間取りを選べました。もう1つ1100万円で建てられた「シフクノ家プレミア」は2階建てもOKで、2LDK3LDKという間取りも選べたとのことです。
500万円の家は500万円で建てられない?
タマホームがかつて行っていた大安心の家5シリーズが「500万円の家」ですが、実は500万円では家は建てられませんでした。虚偽広告や誇大広告の類ではなく、大安心の家5シリーズは家の本体価格が500万円だったということです。
家を建てるには土地が必要ですし、家を建てる前の基礎工事や家を建ててからの外構工事にも別途費用がかかります。また建てた家で実際に生活するにはトイレやお風呂、キッチンなどの設備も必要で、こうした設備の購入・設置にかかる費用も別です。
細かいことを言うと、家を建てる際の建築許可の申請などの手続きにも手数料が発生します。基礎工事などの付帯工事、設備費や手数料などの諸経費を加えると、500万円の家を建てるには少なくとも800~900万円ぐらいかかったとのことです。
土地代を含めると軽く1000万円を超えてきますから、それでも十分安いとは言え500万円では到底収まらない費用が必要だったのです。
ちなみにシフクノ家も900万円は本体価格で、付帯工事費や諸経費を加えると1000万円を軽く超えてきます。
なぜ500万円で家が建てられた?
本体価格だけとは言え、タマホームが500万円という超低価格で家を建てられたのには大きく3つの理由があります。
資材と設備の一括大量仕入れ
タマホームが500万円で家を建てられた理由の1つ目は、「資材と設備の一括大量仕入れ」です。
500万円で家が建てられるとなるとかなりの契約数が見込めますから、500万円の家で使う分の資材や設備を一括で大量に仕入れることができます。一括で大量に仕入れることで1つ当たりの単価が安くなるのです。
コストコや業務スーパーで量や数の多い業務用の食品や日用品を買うと、1つ当たりの価格が安くなるのと同じです。
また建材や設備の仕様を限定しておくことで、大量に仕入れやすくしています。
施工主からすると建材や設備の選択肢が少なくて自由度は低くなりますが、その分安く家が建てられるというわけです。
デザインや間取りを限定する
タマホームが500万円で家を建てられた理由の2つ目は、「デザインや間取りを限定」したことです。
家のデザインや間取りを施工主が自由に決めるとなると、デザイナーや設計士が必要となります。デザイナーや設計士が入ると、デザインや設計に別途費用がかかりますしデザイナーや設計士の人件費も必要です。
デザインや間取りはいくつかパターンを用意しておき、その中から選ぶ形にすることでデザインや設計にかかる費用を削りました。
パターンはあるものの、基本的にデザインはシンプルで、間取りは水回りをまとめて施工しやすいように工夫されていたのです。
設備のグレードは最低限
タマホームの500万円の家に入れるトイレなどの設備は、全て最低限のグレードとなっていました。要するに、最低限のグレードにすることで設備にかかる費用を抑えていたということです。
トイレは温水洗浄便座付きですが、掃除しやすいタンクレスや節水タイプなどは別途オプションとなっていました。キッチンもタッチレス水栓やビルドイン食洗機はオプションです。
設備をシンプルかつ最低限の機能を備えたものにすることで、500万円という超低価格で家が建てられたというわけです。
タマホームで500万円の家が建てられるようになることはある?
900万円で家が建てられたシフクノ家のように、タマホームでは超低価格で家が建てられるサービスを期間限定で行うことがあります。
ですから500万円の家のサービスも今後復活する可能性はゼロではありませんが、現状では可能性は限りなくゼロに近いです。
大安心の家5シリーズを提供していた2010年代中頃と現在では、住宅メーカーを取り巻く環境が大きく変わっています。2010年代は現在に比べると物価も世界情勢も安定していましたし、日本円の価値も高かったです。
例えば、スギの乾燥材は2015年は1立方メートルあたりの価格が6万円台でしたが、2023年末時点では1立方メートルあたり9万円近くになっています。ヒノキの乾燥材も2015年は1立方メートルあたり8万円台だったものが、2023年末には1立方メートルあたり10万円を超えています。
ヒノキで約3割、スギに至っては5割近くも価格が上がっているのです。
建材を輸入しようにも円安の状況では安く仕入れられず、建材にかかるコストが抑えられなくなっています。
住宅地の価格も2015年に比べると1割ほど上がっていますし、安く家を建てるということ事態が難しくなってきている状況です。
この2~3年は月単位で物価が上がっており、いくらタマホームと言えども500万円で家が建てられるサービスを復活させることは難しいと思われます。
500万円で家を建てることはできない?
タマホームの500万円で家を建てられるサービスは終わってしまいましたが、タマホーム以外で500万円で家を建てることはできないのでしょうか?
500万円で家を建てるのは難しいですが、500万円台で家を建てることなら2024年現在でも可能です。
3Dプリンター住宅
500万円台で建てられる家として、セレンディスクという住宅メーカーの「Fujitubo」があります。
見出しの通り3Dプリンターで作る鉄筋コンクリート造で、延床面積は49㎡、水回り完備の平屋となっています。間取りはいくつかのパターンから選べるようになっていて、1LDKや2LDKも可能です。
壁の厚さは30cm以上で、国内最先端の耐震技術が使われていて耐震性に問題はありません。日本よりも寒暖差の激しいヨーロッパの断熱基準をクリアしていますから、暖説性能も高いです。
約44時間で施工完了、家を建てるのに人件費がほとんどかからないので500万円台で建てられるのです。
平屋ワンルーム
もう1つ500万円台で建てられる家に、「楽ちん住宅」という住宅メーカーの「R-00」があります。
延床面積が約26㎡の平屋ワンルームで、一人暮らしもしくは二人暮らしも何とかなるといった広さです。デザインや間取りをシンプルにして、全国の中小メーカーと共同して資材や設備を仕入れることでコストを抑えています。
ただし500万円台は本体価格で、付帯工事費や諸経費、土地代を含めると総額1000万円を超えてきます。
楽ちん住宅は平屋専門メーカーですが、ワンルームだけでなく1LDKから3LDKの家も作っているのです。1LDKは700~800万円台、2LDKも延床面積約50㎡なら1000万円以下とローコストで家が建てられるメーカーとなっています。
できるだけ安く家を建てるなら
500万円は無理でも、できるだけ安く家を建てたいと誰しも思います。できるだけ安く家を建てたいのであれば、「タウンライフ家づくり」を利用するのがおすすめです。
タウンライフ家づくりは、複数の住宅メーカーに一括で見積もり作成が依頼できるサービスです。
家を建てる・買う場合に「住宅展示場」を利用することも多いですが、住宅展示場では営業マンのサービストークに丸め込まれる恐れがあります。
いくつも住宅展示場を回れれば良いですが、それほど時間もありませんし手間もかかるので2~3か所回って決めてしまうケースも少なくありません。
住宅展示場を2~3か所回っただけだと、場合によっては数百万円も余計に費用をかけて家を建てることになってしまいかねないのです。
できるだけ安く家を建てるのであれば、できるだけたくさんの住宅メーカーを比較する必要があります。しかし1件1件住宅メーカーで見積もりを取るのは手間ですし、住宅メーカーによって条件が変わってしまうこともあるので比較しにくいです。
タウンライフ家づくりはタマホームを含む大手メーカー30社以上、中小メーカーも含めると全国1000社以上の住宅メーカーが比較できます。
しかも見積もりを取るのは無料で気軽に利用できるので、家づくりを考えているならぜひタウンライフ家づくりのホームページを訪ねてみてください。
具体的なことは決まっていなくてもOK
漠然と家が欲しいと思っているだけで具体的なことは一切決まっていなくても、タウンライフ家づくりはOKです。
希望の階数や間取り、家族構成、予算の質問に答えて、気になる住宅メーカーを選択するだけです。後は住宅メーカーが、回答に沿って資金計画から間取りの提案、土地探しまで「家づくり計画書」を無料で作ってくれます。
家づくり計画書を作ってもらったからと言って、そのメーカーで家を建てないといけないわけではありません。計画書を作った住宅メーカーがしつこく営業電話をかけてくることもないです。
面倒なことも煩わしいことも無い、タウンライフ家づくりはできるだけ安く家を建てない人の味方になってくれます。
まとめ
タマホームでは2016年頃まで500万円で家が建てられるサービスを行っていましたが、現在はサービス終了してしまっています。
3Dプリンター住宅などデザインや間取り、形式にこだわらなければ、現在でも500万円台で家を建てることは可能です。
500万円で建てられるかどうかはともかくとして、できるだけ安く家を建てたいなら「タウンライフ家づくり」の利用を検討してみてください。