「小さくても良いのでマイホームは欲しい、でも数千万円もの費用は用意できない」というケースも多いはずです。
では、12坪ほどの小さな家であれば300万円程度の予算で建てることは可能なのでしょうか?
12坪の小さな家は300万円で建てられるか?
結論から言うと、12坪ほどの小さな家を300万円で建てることは可能です。ただしあくまで「建てられる」というだけで、快適な居住空間を備えた住宅を300万円で建てるのはほぼ無理です。
ほとんどの住宅メーカーでは、「1坪当たりいくらぐらいで家が建てられるか」という坪単価が決まっています。
設計から施工主が関わる注文住宅だと1坪当たり60~80万円、住宅メーカーの規格で建てられた建売住宅だと1坪当たり50~60万円程度となっています。徹底的にコストを削ったローコスト住宅でも、坪単価は30~50万円といったところです。
一番安いローコスト住宅でも坪単価は30万円ですから、12坪だと360万円かかってしまうことになります。300万円台で住宅を建てることはできるかもしれませんが、300万円で住宅を建てることは難しいです。
タイニーハウスなら300万円で建てられる
ローコスト住宅でも300万円で建てるのは難しいですが、「タイニーハウス」なら300万円で建てることもできます。
タイニーハウスは、無駄どころか必要な設備も極力省き必要最低限の設備だけの12坪よりもさらに小さな家のことです。一般的には4.5畳から6畳ほどの広さで、坪数で言うと大体2~3坪といったところでしょうか。
ミニマリストが住宅として使うこともありますが、趣味の部屋やワークスペースとして自宅とは別にタイニーハウスを建てるケースが多くなっています。
例えば無印良品の「小屋」は、ベタ基礎で床下換気無し、内壁は無塗装、床はモルタル打ちっぱなしの9㎡で300万円です。トイレやキッチンなどの設備はオプションで、オプションを付けると300万円を超えてしまいます。
文字通り「小屋」で、セカンドハウスやワークスペースとしてならともかく住宅として使うのはちょっと難しいです。
もう1つ格安で建てられるタイニーハウスに、BESSの「イマーゴ」があります。約10㎡のログハウスで、2024年12月現在の価格は165万円(税込み)となっています。
イマーゴはセルフビルド用のキットで、要するに成形された資材を購入して自分で組み立てるタイプのタイニーハウスです。資材代だけで工事費用が一切かかりませんから、165万円という格安価格でタイニーハウスが建てられます。
ローコスト平屋でも300万円は無理?
ローコスト住宅かつ平屋なら、300万円は無理でも300万円台で建てることはできないでしょうか?
建物だけならローコスト平屋を300万円台で建てられますが、建物以外にかかる費用を含めると300万円台では無理です。
ローコスト住宅で平屋を建てるのを得意としている住宅メーカーなら、坪単価は30万円ぐらいで収まります。12坪程度の小さな平屋であれば、建物は300万円台で建てられます。
ただ小さい平屋とは言え住宅を建てるわけですから「土地」が必要です。
建築基準法で建ぺい率の上限が決められており、12坪の土地に12坪の平屋を建てることはできません。
建ぺい率は大体40~60%ですから、60%としても12坪の平屋を建てるには20坪の土地が必要です。1坪当たりの価格の全国平均は約68万円ですから、20坪の土地を買うには約130万円かかります。
さらにキッチンやトイレなど住宅に必要な設備も揃えるのにも、少なくとも100万円ぐらいは必要です。
土地を購入するのに手数料や税金もかかりますし、家を建てるのに必要な申請にも手数料が発生します。
また家を建てる前の基礎工事や家の周りを整える外構工事にも別途費用がかかるのです。
こうした諸経費や付帯工事にかかる費用は総建築費の20~25%程度とされるので、300万円台の家をなら100万円ぐらいはかかります。家を建てる費用に土地代や設備費などを加えると、ローコスト平屋でも少なくとも600~700万円の費用はかかることになります。
平屋自体は300万円台で建てられるものの、実際に土地を買って平屋を建てるとなると300万円台では無理なのです。
ローコスト平屋のメリット
2階建て3階建ての住宅が当たり前となっている現代でも、平屋を建てるメリットはあります。
ローコスト平屋だと、何と言っても「家を建てるのにかかる費用が抑えられる」ことです。先にざっと計算しただけでも300万円では無理ですが、建坪12坪の小さな家なら総額600~700万円台で建てられます。
平屋の建売住宅だと、ワンルーム・1LDKのコンパクトなものでも1000万円前後、2LDK3LDKとなると1500万円を超えてきます。注文住宅でも建坪12坪で1000万円前後、建てるエリアや建材・設備によっては1500万円前後が必要です。
ローコスト平屋なら、一般的な建売・注文の平屋の6割から7割程度、場合によっては半額程度で建てられます。
少ない費用で建てられるのはローコスト平屋の大きなメリットです。
バリヤフリーにしやすい
ローコスト平屋は「バリヤフリーにしやすい」こともメリットとなります。
若い内は2階でも3階でも行き来するのに苦労しませんし、家の中に多少段差があっても生活に支障はありません。しかし年齢を重ねるに連れて階段の上り下りがキツくなり、家の中のちょっとした段差でもつまづくようになります。
階段を踏み外したり段差でこけてケガをしては一大事ですから、一定以上の年齢になったら自宅はバリヤフリーにするのが望ましいです。ケガをしないまでも、年齢を重ねて階段を上がるのが億劫で、1階でしか生活せずに2階3階の部屋が無駄になるといったこともあります。
平屋であれば、そもそも2階3階は無いので階段がありません。部屋を区切るのに段差を作る必要は無いので、最初からバリアフリー化しておくことも可能です。
後からバリアフリー化するにしても、2階建て3階建てよりは費用は少なくて済みます。
動線がシンプルで使いやすい
平屋での生活は動線がシンプルになりますから、家が使いやすくなります。
特に建坪12坪程度で2階建て3階建てにすると、寝室が2階、水回りが3階などとなっていることも少なくありません。トイレやお風呂に入るだけでも3階まで上がらないといけませんし、洗濯するのにも3階まで上がる必要があります。
また乾かした洗濯物は1階や2階まで持って下りることになり、2階建て3階建てだと生活の動線が複雑になりやすいです。
平屋は寝室もトイレもお風呂も洗濯機もすべて同じフロアにありますから、生活するのに家の中をあちこち動き回る必要がありません。
ローコスト平屋のデメリット
ローコスト平屋にはメリットもありますが、当然デメリットもあります。
大きなデメリットとしては、一般的な住宅よりも「維持費が嵩む」ことです。
平屋に限らずローコスト住宅は、建築にかかるコストを抑えるために可能な限り安い建材を使います。安い建材は最低限の耐久性しか備えていませんから、一般的な住宅で使われている建材よりも早く痛んでしまいます。
仮に一般的な住宅が10年でメンテナンスが必要なところ、ローコスト住宅だと6~7年でメンテナンスが必要となるわけです。
メンテナンスのスパンが短くなるので何十年と住み続けると維持費が嵩んで、結果的には一般的な住宅よりも費用が高くなってしまう恐れもあります。
家を建てるのにかかる費用は抑えられるものの維持費が嵩むので、ローコスト住宅はコスパが良いとは言えないのです。
プライバシーの確保が難しい
特に建坪12坪程度の小さな平屋だと、「プライバシーの確保」が難しくなります。
そもそもたくさん部屋を作ることはできませんし、いくつか部屋を作ると柱や壁のせいで家が狭く感じられてしまいます。
12坪だとリビングダイニングを含めて2部屋あれば良い方ですから、3人以上で生活するとなるとプライバシーの確保が難しいです。
また家の中に光を取り込んだり、風通しを良くするために大きな窓を作ることもできません。部屋数の少ない平屋で大きな採光窓や掃き出し窓を作ると、家の中が外から丸見えになってしまいます。
大きな窓を作らなくても家の中が暗くならないようにするにはどうするか、風通しを良くするにはどうするかを考えないといけません。
12坪の小さな家をローコストで建てるなら
平屋であれ2階建て3階建てであれ、建坪12坪の小さな家をローコストで建てるのであれば「タウンライフ家づくり」を利用するのがおすすめです。
タウンライフ家づくりは、ネットで複数の住宅メーカーに一括で見積もりの作成依頼ができるサービスです。
提携している住宅メーカーは1000社以上で、
・住友不動産
・ダイワハウス
・積水ハウス
・パナソニックホームズ
・トヨタホーム
など大手メーカーから中小メーカーまで揃っています。
ローコスト住宅や小さな家を建てるのを得意としている住宅メーカーを、1軒1軒ホームページをチェックして探していたら何日あっても足りません。
タウンライフ家づくりなら、予算や間取り、家族構成などの質問に答えて住宅メーカーを選ぶだけでOKです。後は、住宅メーカーがユーザーの希望に沿った内容で予算内に収まるプランを提案してくれます。
1軒1軒見積もりを取っていたら、メーカーごとに条件が違ったりして比較しにくいこともあります。しかしタウンライフ家づくりは、同じ条件で複数のメーカーに一括で見積もり作成が依頼できるので比較しやすいです。
見積もり作成は無料
タウンライフ家づくりは基本的に無料で利用できますから、複数のメーカーに見積もり作成してもらうのに費用はかかりません。
もちろん間取りなどの提案も無料で受けられますし、見積もりを作ってもらったから提案してもらったらから契約しないといけないといったことありません。見積もり作成を依頼したメーカーからしつこく営業電話がかかってくることもないので、気軽に安心して利用できます。
予算や建物の種類に関係なく、これから家を建てようと考えているなら、まずはタウンライフ家づくりのサイトを覗いてみてください。
まとめ
12坪程度の小さな家でも300万円で建てることは難しいです。
建物だけなら300万円で建てられますが、土地代や設備費、税金などの諸経費、付帯工事費などを含めると少なくとも600~700万円ぐらいはかかります。
できるだけ安く家を建てたいなら複数の住宅メーカーを比較することが重要で、複数の住宅メーカーを比較するにはタウンライフ家づくりが便利です。