何事も行動を起こす時には目的があるように家を建てるのにも「目的」があり、
その目的を見失うと家を建ててから後悔することになります。
では家を建てる目的とは何なのか、「家づくりの目的」について考えてみましょう。
家づくりの目的を考える
「家づくりの目的は?」と聞かれると
「マイホームが欲しいから」と答える人も多いかもしれません。
しかし「家を建てること」は目的ではなく、
その先にある目的を達成するための手段でしかないのです。
では「家づくりの目的」とは何なのか、
究極的には「自分や家族が幸せに暮らすこと」です。
今よりも自分や家族が幸せになるという目的を達成するために、
家づくりをするという手段を用いるわけです。
目的を見失うと家づくりで迷う
「自分や家族が幸せに暮らすこと」という究極的な目的を見失うと、
実際に家を建てる際に迷うことになります。
中には自分で一から家を建てる人も居ますが、
家を建てる際にはハウスメーカーや工務店を頼るのが一般的です。
しかしTVCMで見かけるような大手ハウスメーカーだけでも何社もありますし、
工務店も加えると選択肢は膨大な数に上ります。
膨大な数の選択肢の中から自分にとって最適なハウスメーカー・工務店を
選ぶのですが、ここで家づくりの目的を見失っていると迷うのです。
ハウスメーカー・工務店はそれぞれに得意分野を持っています。
例えば大手ハウスメーカーであれば
・積水ハウス→鉄骨造
・ダイワハウス→鉄骨造
・住友林業→木造
・セキスイハイム→木造
・トヨタホーム→鉄骨
・ミサワホーム→木造
などそれぞれ得意とする構造が違います。
家づくりの目的が明確で、マイホームの基本構造を木造にするか鉄骨造にするか
決まっていれば自ずと選択肢はある程度絞られるのです。
さらにデザインや価格、担当者、アフターサービスなど諸々の条件を比較して、
最終的に家づくりをお願いするハウスメーカー・工務店を1つに絞ります。
ところが家づくりの目的を見失っていると、大まかに選択肢を絞ることすらできずに
「どこに頼んで良いかわからない」ことになってしまうわけです。
目的と動機は違う
家づくりの「目的」と「動機」はごっちゃになりがちですが、
目的と動機はまったく違うものです。
家づくりの目的は先にも書いたように、
究極的には「自分や家族が幸せに暮らすこと」となります。
それに対して家づくりの動機は
・結婚する
・子供が生まれる
・子供が大きくなったので子供部屋が必要
・親と同居する
・家賃がもったいない
などです。
これらはあくまで家づくりの「動機」であって「目的」ではありません。
結婚するから子供が生まれるからと言って
必ず家を建てないといけないわけではなく、賃貸住宅でも大きな問題は無いです。
結婚してから子供が生まれてからより幸せに暮らすためには、
賃貸住宅より持ち家が良いと考えるから家を建てるわけです。
実際に家づくりを進める際に間取りや設備などを決めるのに、
動機は動機で重要な役割を果たします。
子供が生まれるから子供部屋を作るなど間取りを決めたり、親と同居するから
二世帯住宅など基本構造を決めたりする際には動機が決め手となります。
ただ目的と動機は別物ですから、
動機を重視しすぎて目的を見失うことにならないように注意してください。
家づくりの目的を見失わないためには
家づくりで一番重要な目的を見失わないためには、
「家族で話し合うこと」が重要です。
具体的な家づくりの話に入る前に、
新築した家で一緒に住むことになる家族と「何が幸せか」を話し合うのです。
「幸せ」の概念は人それぞれで漠然としていますが、
例えば「快適に暮らすには何が必要か」といったことを話し合いましょう。
家事や子育ての負担を軽くすることで快適に暮らせるのであれば、
間取りや設備はどうすれば良いかが自ずと見えてきます。
外気温に関係なく家の中を快適な温度にしたいなら、
エアコンに頼らず温度調節ができる構造にすることになります。
とにかくカッコ良くて自慢できれば暮らしやすさなんて二の次、
という場合にはデザイナーズハウスという選択肢もあるでしょう。
家づくりの目的を話し合った結果、
家を建てる必要は無くて賃貸住宅で十分ということになるかもしれません。
どういう結論が出るにせよ、
家を建てる目的を家族で話し合うことが家づくりの第一歩なのです。
ハウスメーカー・工務店を選ぶ際にはこれを聞くべし
家族で話し合って家づくりの目的が明確になったら、
次にハウスメーカーや工務店を選ぶことになります。
自分たち家族の理想を現実のものにしてもらうわけですから、
ハウスメーカー・工務店選びも家づくりではかなり重要です。
家づくりの目的が明確になったことで、
ある程度ハウスメーカー・工務店の選択肢は絞られます。
しかし最終的に1つに絞るとなると、家づくりの目的が明確になっていても迷います。
そこで、最終的に選択肢として残ったいくつかのハウスメーカー・工務店に
ある質問をして、その回答で選択肢を絞るのも1つの方法です。
ハウスメーカー・工務店にするある質問とは
「御社にとって『お客さんの家づくりの目的』とは何ですか?」です。
かなり難しい質問ですが、
ハウスメーカー・工務店の回答が自分たち家族と同じであるかが重要となります。
自分たち家族の家づくりの目的は「幸せに暮らすこと」ですから、ハウスメーカー・
工務店としては「お客様の幸せを実現すること」が1つの正解となるのです。
表現はハウスメーカー・工務店によって違うでしょうが、
とにかく「お客様の幸せ」というワードが入っているかどうかが重要となります。
家づくりの目的を聞かれて、「お客様の幸せ」というワードが出てこない
ハウスメーカー・工務店は家づくりを仕事や金儲けの手段としか考えていません。
たとえ実績があって評判が良くても、自分たち家族と目的が同じでない
ハウスメーカー・工務店は避けた方が良いでしょう。
マイホームの役割を考える
家づくりの目的を考える上では、
マイホームがどういう「役割」を果たすのかを考えることも重要です。
一般的にマイホームは
・物理的役割
・心理的役割
・社会的役割
の3つの役割を主に果たすとされています。
「物理的役割」は、自分たち家族が「安全で快適に暮らせる場所」としての役割です。
宮沢賢治の詩ではありませんが、「雨にも負けず風にも負けず、
雪にも夏の暑さにも負けぬ」生活できる場所がマイホームです。
最近は地震や台風など自然災害が頻繁に発生していますから、
安全に暮らすには耐震性や耐久性が求められます。
また夏は災害級の暑さ、冬も例年以上の寒さとなることが多くなっていますが、
光熱費も上がっているので快適性とエネルギー効率も重要です。
2つ目の「心理的役割」は、
自分たち家族が「安らげる場所」がマイホームであることです。
家族が集まって楽しく食事をしたり談笑するには、快適にゆったりと過ごせる
ダイニングやリビングなどの共有スペースが必要となります。
家族とは言えずっと一緒に居ると息が詰まるので、
リラックスして息抜きできる各々のプライベート空間も必要です。
3つ目の「社会的役割」は、
自分たち家族が「地域社会や地球環境と共存」するための役割です。
周囲に一切建物が無いところに家を建てることは無く、
大抵は住宅街など周辺に住宅などの建物がある地域にマイホームを建てます。
昔に比べると地域社会との繋がりが希薄になっていますが、
ご近所さんを無視して生活することはできません。
ある有名人が奇抜なデザインの自宅を建てたところ、
近隣から苦情が殺到して最終的には裁判にまで発展したこともあります。
それぞれ別々に生活していますが、
地域社会と共存していることを意識した家づくりをしなければなりません。
もう1つは地球環境との共存で、
環境負荷を減らした持続可能でエコな家づくりも求められます。
まとめ
マイホームを建てる際には「家づくりの目的」を考えることが重要です。
目的が明確になることで、どういった家を建てるのか、
ハウスメーカー・工務店の選択などで迷わなくなります。
家づくりの目的を明確にするには家族の意見を聞くことが重要ですから、
具体的に行動する前に家族で家づくりについてじっくり話し合いましょう。